よみがえったシルクロードの音色

正倉院の渡来楽器を復元・


●螺鈿紫檀五弦琵琶(復元)
 
表面:撥があたる部分には鼈甲が使われ螺鈿で西域の人物が駱駝に乗り琵琶を奏でている図に熱帯樹と五羽の飛鳥を配している。
背面:槽は紫檀で作られ、螺鈿で大宝相華文が描かれている。


 古来より音楽は、神や人を楽しませ、心を癒す道具として発展してきた。中国の神話に、人類創造の女神、女禍が笙という楽器を作り、また薬の神である神農は琴(瑟)を作り、その子孫が鐘という楽器を作り、黄帝は家臣に竹笛で楽器の調律を定めさせたとある。
 これらはすべて伝説上の話だが、西周時代になると楽器の分類は、金の音色、石の音色、絲の音色、竹の音色、匏の音色、土の音色、革の音色、木の音色の八音に分けられた。遠くペルシヤやインド、中国と伝播され日本にたどり着き、正倉院に保存されている楽器もこの分類にかなっている。
 音楽家として最も興味を引くことは、中国で失われた楽器が正倉院に現存しているということである。これらの楽器がはるか天平のころ、中国から日本に伝わり、斑鳩の里にその妙なる調べが奏でられたことを思うと、往時の音色をぜひとも再現してみたくなるのである。

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