よみがえったシルクロードの音色

正倉院の渡来楽器を復元・

「拜簫」竹の音色


 遥か西域、敦煌莫高窟の二二〇窟に初唐時代に描かれた「薬師浄土変相図」がある。
 この浄土変相図の北側壁面部分に一三人の伎楽天が色々な楽器を奏でている姿が描かれている。その中に竹管を並列にした楽器を口元で吹いている人物像あり、これが拜簫という楽器といわれている。
 古代中国の時代からこの拜簫にはさまざまな言い伝えがあり、その形は鳳凰の翼からとったものとされ、「簫韶九成せば、鳳凰来儀す」ともいわれ、神を祀る楽器とされていた。
 また、古代の人が竹林に風が吹くと、折れた竹から音色が鳴り響いたのを聞き、考え出された楽器ともいう。
 正倉院には、奈良時代に唐から渡って来たと思われる拜簫が、「甘竹簫」という名で献物帳に記載されている。
 完全な形体ではないが保存されていて、研究の結果、吹き口をU字型に削り、一八本の竹管が長短、順序よく並列していたとされ、竹管の底には詰め物があり、簫の中でも底簫といわれる部類に属すると発表されている。


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