よみがえったシルクロードの音色

正倉院の渡来楽器を復元・

「笙・竿」匏の音色


左「竿」右「笙」

 中国の創世神話に人類を創造したとされる女カという女神がいる。この女神はまた音楽の神でもある。

 女カは葫蘆に管を一三本差し込み鳳凰の尾羽のような形をした楽器「笙・竿」を生み出したとされ、唐代にはいると、空気を溜める部分が葫蘆から木をくり抜き漆を塗ったものに変わり、正倉院に保存されている笙や竿は唐から渡って来た当時の原型を保っているとされる。

 空気体よりのびた吹き口はS字型に曲線を描き、このような優雅な吹き口を持つ笙や芋は今の中国に残存していない。

 この笙や竿を総称して包といい八音の部類に属す。特に竿は後漢書に冬至と夏至の時に吹いたという記述があることから祭祀の楽器としても使われていたと思われる。

 現在でも、中国南方の少数民族の間で演奏されている蘆笙、葫蘆と呼ばれものは、女カの作った笙や竿の原型に最も近いものとされている。その使われかたも、女カが人間の楽しみのために作ったとされるように、若い男女の出会いの踊りの楽器として今でも少数民族の生活の場で息づいている。


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